インド南部〜スリランカ北部に住む人々、またはその言語の総称。
現在インド総人口の約25%を占める。
古代インダス文明を築いた先住民族だが、アーリヤ人に追われて南下し、タミル、テルグ、カンナダなどの諸民族に分かれた。
現在はヒンドゥー教の影響を受け、カースト社会を形成。
=Contents=
言語分類
民族分類
ドラヴィダ語族の歴史
= 言語分類 =
膠着 (こうちゃく) 語的特徴を示す
- ブラーフイー語……パキスタンのバルーチスターン地方
- 北部支派
- クールクー語 (オラーオーン語) ……チョータ・ナーグプル地方
- マルト語
- クイ語……オリッサ州
- 中部支派
- 南部支派
- タミール語……インド南部〜スリランカ。1世紀以来文字記録があり、サンスクリット文学に並びインドで最も古く豊富な文学を発達。インド系タミル文字で書写される。文語と口語の差異が大きい。
- テルグ語……主に南インドのアーンドラ・プラデーシュ州。サンスクリット文学の影響で文学が発達。南方系ブラーフミー文字から派生したテルグ文字で書かれる。
- マルヤーラム語……ケーララ州とその近隣、ラクシャドウィープ諸島。9世紀ころタミル語から分かれ、10世紀に碑銘を残す。サンスクリット文学、タミル文学の影響で文学が発達。古くバッテルットゥ文字、その後グランタ文字を採用。イスラム教徒はアラビア文字を使う。
- カンナダ語 (カナラ語) ……カルナータカ州とその周辺
= 民族分類 =
- ブラーフイー族……パキスタンのバルーチスターン地方
- 北部支派
- クールクー族……チョータ・ナーグプル地方
- マルト族
- クイ族……オリッサ州
- 中部支派
- 南部支派
- タミール人……インド南部〜スリランカに居住。宗教は主としてヒンドゥー教。
- テルグ人……南インドのアーンドラ・プラデーシュ州を中心に分布。大規模な農耕カースト(大きいのは200万〜300万)が見られる。
- マルヤーラム人……ケーララ州周辺。
- カンナダ (カナラ語) 人……カルナータカ州とその周辺
= ドラヴィダ語族の歴史 =
- 3500 BC
- イラン東部の高原からインド西北の平野部へ、ドラヴィダ人の先祖(地中海人種)が侵入 → インダス文明を築く。
- 2300〜1800 BC インダス文明
- 水、牡牛、菩提樹の神聖視、リンガの崇拝、獣神としてのシヴァ神(浮彫がある)信仰、ソーマ(神聖酒)信仰などは、すべてドラヴィダ人の築いたインダス文明が起源。
- 1500 BC
- インダス文明の崩壊、アーリア人の侵入 → ドラヴィダ人の南下開始。
ドラヴィダ人は次の3グループに分かれて移動。
- 北部支派 → インド西部、オリッサ、ベンガル地方へ
- 中部支派 → インド中部、マディヤ・プラテーシュ地方へ
- 南部支派 → インド南部、デカン高原へ
この他にバルーチスターンに逃亡したブラーフイー族がいる。
- 1300 BC
- デカン高原に入った南部支派は、二つに分離。
- 第1グループ……テルグ族
- 第2グループ…… → タミール、カンナダ族
- 800〜500 BC
- 第2グループはさらに2種族に分かれ、それぞれの土地へ到着。
- カンナダ族 → カルナータカ
- タミール族 → インド半島最南端
- 前4世紀
- タミール族は海上貿易で強盛となり、すでに次の南インド3大国を建てていた。
- チョーラ国……東方コロマンデル海岸地方(首都ウライユール)
- パーンディヤ国……半島南端(首都マドゥライ=今のマドゥラ)
- チェーラ国……西方マラバ−ル海岸地方(首都ヴァンジ=今のカルール?)。古くは「ケーララ」と呼ばれた。
- 紀元前後
- タミール語のシャンガム文献。ドラヴィダ語で最古の文字記録。
- 1〜2世紀
- テルグ族の祖先が建てたサータヴァーハナ朝アーンドラ王国がローマ帝国との貿易で繁栄、アラビア海からベンガル湾に及ぶデカンの大部分を支配。
- 5〜7世紀
- タミール人のパッラヴァ朝が繁栄。
タミール文学も発展。
- 7〜9世紀
- チャールキヤ朝、パッラヴァ朝、パーンディヤ朝の3国が互いに抗争。
この時代に、シヴァやヴィシュヌに一心に愛を捧げ、全てを委ねるバクティ運動が開始、大衆的性格の宗教改革として広まりを見せる。
- 633
- テルグ語最古の資料である碑文が建てられる。
- 8世紀
- タミール人のパーンディヤ王国が勢力を増す。
- 9世紀頃
- ケーララ州のマラヤーラム語がタミル語から分かれる。
- 10世紀
- マラヤーラム語の最古の碑銘。
- 10〜11世紀
- タミール人のチョーラ朝が急激に勃興、スリランカ(セイロン)からガンジスに至るインド半島部の大半、ビルマ (ミャンマー) のペグー朝、スマトラのシュリーヴィジャヤ王国までを支配する大勢力に。
- 12〜13世紀
- タミール系パーンディヤ王国が復興、南インド最強の国になり、チョーラ朝を併合。
- 14世紀初め
- 北インドのイスラム王朝ハルジー朝の南方攻略で南インドのヒンドゥー諸国は滅亡の危機に。
- 14〜16世紀
- 南インド一帯は、テルグ族のヴィジャヤナガル王国の勢力下に入り、ヒンドゥー文化を守り通す。
但しタミール文化は衰え、代わってテルグ文化が栄える。
また、北インドのバラモン僧たちがイスラムの支配を逃れてやってきたため、サンスクリット文化がもたらされた。
そのため、これ以降現代に至るまで南インドではサンスクリットとテルグ語文化が中心に展開されてゆく。
- 19世紀
- インド南部のタミール人が、イギリスによる紅茶プランテーションの労働力として、スリランカに移住。
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