公務員試験における「時事」
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| @「新聞を読め」とよく言うけれど・・・ | Aどういった時事が公務員試験で出題されるのか? |
| B「時事対策=新聞を読むこと」か? | C「時事」という科目はなけれど・・・ |
| D時事の波及効果 | E択一試験以外にも・・・ |
| F何故時事を出題するのか? | G最後に |
@「新聞を読め」とよく言うけれど・・・・
「公務員試験には時事に関する問題が良く出るので毎日新聞に目を通そう」。こんな言葉を良く耳にします。しかしいきなり新聞を読めといわれても一日分だけでもたくさんの分量があるので全部読むわけにはいきません。と言う事はどの記事を読むかという選択が必要になります。では「どの記事を読めばいいのか?」と考えても結構、悩んでしまうでしょう。?そもそも「時事」なんて言われても範囲が広すぎると思いませんか?「時事」と言う語を手元にある辞書で引くと「その当時・(現代)のできごとやことがら」とあります。これはかなり範囲が広そうです。この「時事」の定義を当てはめると、重要な法案が成立した事も、失業率の上昇も、大企業の倒産も、地域紛争も、連続殺人事件も、オリンピックでの日本の活躍も、人気女性歌手の結婚も「時事」に含まれてしまいそうです。しかし人気女性歌手の結婚がたとえ語彙としては「時事」に含まれるとしてもまさか公務員試験の時事問題として出題されるとは思えません。ではどういった内容のものが公務員試験の時事として出題されるのでしょうか?
(注)・・・横浜市では芸能に近い事が時事として結構出題されるようです。珍しいですね。(<05・07・16追記>平成17年度試験では横浜市は一次試験で時事の出題を減らし「専門時事論文」を二次試験で新たに実施されるようです。という事は横浜市独特の時事問題の出題はなくなるのでしょうか?)
Aどういった時事が公務員試験で出題されるのか?
分け方は人それぞれ色々あると思いますが私はまず国内・海外に分けたいと思います。
国内
| 政治的トピックス | あまり特定の政党に偏った内容のものは出題されないと思いますがやはり政治的トピックスは時事の大きなテーマでしょう。 例・・・重要法案の成立・選挙制度改革・裁判員制度・イラク復興支援 |
| 行政的トピックス | 政治的トピックスとダブる点も多いですが一応独立させました。行政官になるわけですから行政の動きにも注意を要します。 例・・・三位一体の改革・郵政民営化問題(郵政公社化) |
| 経済的トピックス | 最近は厳しい経済事情を反映して経済的なトピックスも出題されます。 例・・・GDP成長率・失業率・公定歩合・株価 |
| 予算・地方財政 | 経済系トピックスに入れてもいいのかもしれませんし、これを時事と呼ぶのは変なのかもしれませんが一応入れておきました。もし平成17年度の試験を受ける場合には平成16年度の予算と平成16年度の地方財政を見ましょう。 例・・・予算の規模・予算の規模が前年度より増えたか減ったか・公債発行残高・公債依存度 |
| 社会事情 | 社会一般の動きです。こういっては大雑把ですがですが国民の生活に関係する事項とくらいは言えるかもしれません。 例・・・食の安全・消費者保護 |
| 科学技術 | 社会事情に入れてもいいのかもしれませんが別にしました。あまり公務員試験には関係なさそうですが出題される事もあるようです 例・・・ES細胞・クローン技術 |
| 社会政策 | 厚生労働に関する事項です。結構出題されます。 例・・・年金改革・雇用(若い人のフリーターやニートの問題を含む)・介護保険・少子高齢化 |
| 法律トピックス | これも政治的トピックスに入れてもいいのですが別にしておきました。法律トピックスとしては大きく分けて二つあると思います。まず一つ目は有名な法律の改正。二つ目は重要な判例(特に最高裁の)が出た場合や重要な判例が変更された場合です。 |
| 白書 | これは上記すべてに関わることですが「白書」の内容が問われる事があるようです。各試験によって出典となる白書が決まっている場合があるので調べてみましょう。 |
海外
海外をどのように分けるかと言うのは難しいけれど一応下のように分けてみました。
| 国別政治トピックス | 各国の政治的なの動向。大きな動きがあったらチェックしてください。 例・・・アメリカ大統領選挙 |
| 国際会議・条約 | 話題になった国際会議や・条約。また「国際○×年」にも注意。 例・・・サミット |
| 戦争・地域紛争 | 戦争や地域紛争も起こったらチェック。戦争・紛争の起きた背景・経緯にも注意が必要。 例・・・パレスチナ問題・イラク問題 |
| 経済トピックス | 世界全体・国別・地域別に大きな動きがあった場合注意が必要です。最近はグローバル化の方向とは逆の方向である「地域統合」の大きな流れもあるります。その動きにもチェックを怠らないようにした方がいいと思います。 例・・・アメリカ経済の動向 |
| 科学技術 | 科学技術の大きな動向には注意が必要です。 例・・・ヒトノゲム・ES細胞 |
| 地域別動向 | 上のトピックスに関わる事でしょうが世界の動きを地域的に見る必要がある場合があります。まず一つ目は経済トピックスで挙げた「地域統合」。EUの動きが活発化しているので動向に注意を要しますが、他の地域統合の動きにも注意する必要があると思います。二つ目として「大きな動きがあったら特にチェックしなければならない地域」です。主な地域はバルカン半島(ユーゴ情勢)・中東情勢(パレスチナ情勢)・南北朝鮮・中国(地域ではないけど経済発展が目覚しい反面「反日」の問題もあり注要注意です)・インドとパキスタン(カシミール)などです。これらの地域で何か動きがあればチェックを要するでしょう。 |
これら「国内・海外」時事の分類は私のオリジナルの物で一般的にこう分類するわけではないですし、ある出来事をとっても必ずどれかに分類できると言うわけではありません。しかしどんな時事が公務員試験で出題されやすいかを知る参考にして頂けたらと思います。ちなみにどの期間の時事が出題されるのかというと一次試験の1年前〜1ヶ月前くらいの間であると一般的には言われています。
B「時事対策=新聞を読む事」か?
時事の分類を長々としてましたが元々の話の筋は新聞のどのトピックスを読めばいいのかと言う事でした。それでは新聞を読み続ければいいのでしょうか?確かに新聞は時事情報の宝庫です。しかし約一年間、毎日毎日、公務員試験に出題される時事トピックスを漏らさずにチェックする事ができるでしょうか?そんな事できる受験者は滅多にいないでしょう。よってチェック漏れを少なくすれため、なるべく使えるものはなんでも使うという姿勢が必要だと思います。「時事対策」として使えるものは次のようなものがあります。
| 新聞 | これは定番という事で。 |
| テレビ | ニュース番組・・・どれがいいかというのは難しいですが夜10時以降にやっているのがいいと思います。夕方のニュース番組だと芸能とか激安の店とかに時間を割いているのもあるので。 |
| 報道番組・・・公務員「時事」に関わるテーマを取り上げている場合、見ておくと知識が深まるかもしれません。NHKが硬くて良い印象があります。 | |
| 年末特番・・・年末になるとその年に起こった出来事をまとめて取り上げる事があります。その一年に起きた出来事を総括するには良いでしょう。 | |
| 出版物 | 「朝日キーワード」(朝日新聞社)・・・試験前年の年末までで試験年度の出来事は網羅されていないが、各トピックスの知識を深めるのに役立ちます。また教養論文対策や集団討論対策に使う人もいるようです。 |
| 「月間新聞ダイジェスト 臨時増刊号 最新時事用語&問題」(新聞ダイジェスト社)・・・年数回出している模様。 | |
| 「公務員試験 速攻の時事」(実務教育出版)・・・試験が近くなると出版されます。 | |
| 「イミダス」(集英社)・「知恵蔵」(朝日新聞社)・「現代用語の基礎知識」(国民自由社)・・・買うとしてもどれか1冊。あるトピックスの知識を深めたいときに使う。年末出版なのでそれ以降の出来事は載っていません。買わずに地元の図書館の資料室で、調べたい事項だけ調べたり必要なところだけコピーするという使い方もあるでしょう。 | |
| 予備校の講座 | 年が明けてしばらくすると各予備校が「時事」の講座を開講する場合があります。専門の先生が必要な事項をまとめて教えてくれるので効率よく知識の吸収ができます。 |
| web | 自分が知りたいトピックスの知識を深めるためにHPで知識を吸収しましょう。 |
思い当たるのはこれくらいですが探せば他にもあるかもしれません。利用できるものは何でも利用する意気込みでいきましょう。また時事に自信がない方やサボってしまった方は年明けに行われる予備校の時事対策講座を利用すると良いかもしれません。プロの方が公務員試験に必要なトピックスを選択し、それをテキストにしてまとめて教えてくれるので短期間で知識の吸収ができます。「オォー、予備校の講座なんていう便利なものがあるのか!!」と言って新聞・その他の時事に関する出版物を全く読まないというのはやめた方がいいと思います。新聞に目を通すというのは時事問題に対するセンスを磨く事になります。時事に関する問題に触れた時に、知識が完全でなくとも選択肢を切れる(間違っていると想像が付く)場合があります。公務員試験ではどの科目でもこういうセンスが大切な気がします。
C「時事」という科目はないけれど・・・
今、私の手元に早稲田公務員セミナーの「公務員まるかじり GuideBook」という本があります。この本に基づき、教養試験で「時事」と名のつく科目がある物をピックアップしてみたいと思います。教養試験で「時事」という名がつくのは国家T種(行政職・法律職・経済職)で「時事」が4問、大阪府で「時事」が3問、国税専門官で「時事」が3問、労働基準官Aで「時事」が3問、裁判所事務官(T種・U種)で「時事・常識」が4問出題されています。また「時事」という名ではないが実質「時事」とほぼ同じと思われる「法律・経済・政治・社会事情」という科目が東京都(一類・二類)で5問出題されています。逆に国家U種(行政)や地方上級(全国型・関東型・中部北陸型)や神奈川県一類や横浜市には「時事」という科目は存在しません(もっときちんとした表現をすればこの本では「時事」という分類にはしていないと言った方が適切かもしれません)。それではこのように「時事」という科目が存在しない試験を受験する場合、時事は無視してよいのでしょうか?そんな事はありません。教養試験で「時事」と銘打っていなくとも時事的な内容を問うてくる科目はたくさんあります。「政治」「経済」「社会」あたりがそうでしょう。これらの科目の全問で時事が出題されると言うことはないでしょうが、ある程度出題はあると思っておいた方がいいでしょう。例えば政令指定都市である横浜市では「時事」という教科はありません。しかし教養試験で「社会」12問、「政治」3問、「法律」9問、「経済」9問出題されています。これだけの出題数があれば一定の「時事」問題の出題があると見る方が妥当だと思われます。(横浜市は@で書いたとおりちょっと変わった試験のようですので、その点だけは頭の片隅に置いておいてください)
D時事の波及効果
さてCで触れたような科目で時事がダイレクトに出題されるケースももちろんあります。しかし時事を受けてそれを絡ませた問題を出題するという事がある様な気がします。例えばイスラム関連の大きな出来事があった場合には、世界史でイスラム史を出題したり地理でイスラム諸国の地誌を出題すると言った感じです。私はこれを勝手に「時事の波及効果」と呼んでいます。「時事の波及効果」は専門科目にも飛び火する事があります。一番影響を受けやすいのは国際関係でしょうか。また法律科目も判例変更や新しい重要な判例をベースに出題する事も考えられます。政治学も選挙制度や区割りが変わったりすると選挙の事が出題されるかもしれません。このように時事はその時事自体の知識を問うだけはなく、出題者が出題問題を決めるときの要因になりうるので気をつけなければなりません。
E択一試験以外にも・・・
社会人になるためという理由は別にして公務員試験において時事を勉強する一番の理由はやはり択一試験対策です。しかし試験に教養論文がある場合、ある程度の時事を知っておかないと書きにくいということもありえます。また面接で時事の事を聞かれることがあるかもしれませんし、集団討論が二次試験などである場合は討論のテーマ上時事を知っていないと自分の意見を言えない可能性があります。こういった点にも注意してください。
F何故時事を出題するのか?
「公務員試験で何故時事を出題するのか?」と私は考えた事があります。以下に述べる事は私の勝手な意見で別に出題者の意向を反映していないかもしれません。しかし一応、私信ということで書いてみます。公務員試験で何故時事を出題するのか?私は大きく分けて二つ理由があると思います。一つ目は時事的な知識を持っている人を合格させたいから。こういわれてみると当たり前のように感じるかもしれません。ではこう言い換えてみればどうでしょうか?「時事的な事に興味を持っている人を合格させたいから」。公務員になる人はある程度、時事的な事(社会の流れ)に関心があった方がいいと思いませんか?またあなたが採用者ならそう思いませんか?私は公務員試験で時事を出題するのには受験者に「時事(社会の流れ)に興味をもって欲しい」というメッセージが込められているのではないかと思っています。さて続いて二つ目の理由、それは過去問ばかり解いてきた人を落としたいから。一昔前は「○△試験はウォーク問を×回まわせば(解けば)合格」などと受験生の間で言われたものです。さすがに最近では国U(行政)の最終合格者ですら既卒者が多い時代ですからそんな事を言わなくなりましたが。昨今の公務員人気で受験者が増えている為、公務員試験は以前に増して落とす試験にならざを得ません。よって出題者の心理としては少しでも差をつけたいわけです。よってこういった時事問題を出すのではないかと推測しています。公務員試験を勉強しようと思って時事から勉強する人はあまりいません。当然、時間的制約から時事にはあまり手が回らなかったなんていう人もいるでしょう。そういう人を狙い撃ちにする意図もあるのかなという気がします。少し(いやかなり?)うがった見方ですが。
G最後に
単なる元公務員試験受験生が随分と長々と書いてしまいましたが、何かの参考になればと思います。読者の方々が本試験で時事を含めて一点でも多くの点を取れるようにお祈り申し上げます。